あの日 彼の部屋を埋め尽くしていたのは
お互いを 愛しいと思う気持ち それだけだった
ベッド横のステレオから流れる 初めて聞く少し癖のある女性の声
夢の中まで 心地よさが襲う
泣き喚く海に立ち止まることも
触れられない君を只想うことも
同じ空は明日を始めてしまう
例えあたしが息を止めても
そう その女性は歌ってる
なんて切ないの
CDを変えようとする彼
「ダメ・・・ そのままがいい・・・」
半分夢のままの声で答えたあたしのその台詞を
彼はリピートする
そしてこう言いました
「甘いなぁ・・・」
それは 限りなく
愛しさに溢れた声
男の子に 甘いなんていわれたら
大好きな人に 甘いなんていわれたら
溶けちゃうよ
もう一度CDをかけ直す
椎名林檎の「同じ夜」
あの日
この曲を好きになったのも
何かの運命だったのかもしれないけれど
あの日はまだ
彼の部屋をうめつくしていたのは
お互いを愛しいと思う気持ち それだけだった
お互いを 愛しいと思う気持ち それだけだった
ベッド横のステレオから流れる 初めて聞く少し癖のある女性の声
夢の中まで 心地よさが襲う
泣き喚く海に立ち止まることも
触れられない君を只想うことも
同じ空は明日を始めてしまう
例えあたしが息を止めても
そう その女性は歌ってる
なんて切ないの
CDを変えようとする彼
「ダメ・・・ そのままがいい・・・」
半分夢のままの声で答えたあたしのその台詞を
彼はリピートする
そしてこう言いました
「甘いなぁ・・・」
それは 限りなく
愛しさに溢れた声
男の子に 甘いなんていわれたら
大好きな人に 甘いなんていわれたら
溶けちゃうよ
もう一度CDをかけ直す
椎名林檎の「同じ夜」
あの日
この曲を好きになったのも
何かの運命だったのかもしれないけれど
あの日はまだ
彼の部屋をうめつくしていたのは
お互いを愛しいと思う気持ち それだけだった
一瞬ドキッとしてしまった
水溜りをひとつ飛び越えて
持っていたオレンジ色の傘を 一つくるっと回転させて
伏せていた目をあげた瞬間
飛び込んできたのは
全身お空模様の女性だった
トレンチコートのシルエット
高い鼻と 想像するとブロンドだと思う髪の毛も
すべてが その人は空模様だった
時折 すぅっと雲が彼女を通過していく
水色をした彼女に模様をつくるように
風はゆるい
周りを歩く人は 彼女には気づいていないのか
気づかないふりをしているのか
ただ いつもの早足で イニシャルとなって歩いていく
うつむきかげんのその空模様の女性もまた
水溜りを見ながら
何かつぶやいている
そして
ふと 私の視線を感じたのか顔をあげた。
次の瞬間
彼女からお空模様が溶け出した
それはAirの中に溶け出し
わたしは はっきりと それが自分へ向かってそよいでくるのを感じた
お空模様がなくなった今
彼女は真っ白なシルエットになっていた
そして 彼女は笑った
そんな気がした
ブロンドかもしれない髪をなびかせながら
風に抵抗することなく
むしろ 彼女が風になったかのように 歩きだした
表参道の白いビルの前を通り過ぎ
そこで 彼女を見失ってしまった
私は走ってその白いビルへと近づいた
新しくできたばかりの
私には興味もない ブランドのビルのその白い壁には
水色の文字で 風ふかれているような文字が書かれていた
Ciel et parapului
傘。
顔を上げてみる
すると そこには。
傘の天井には。
さっきの女性と同じ 綺麗な空模様が広がっていた
ゆるい風がふいている
時折 すうっと 雲が私の傘の天井を通過していく
ピンクの花を想像した
すると 不思議なことに 私は今までかいだこともないような
幸せな香を感じた
黄緑色の草むらを想像した
すると 朝の若草の上光った雨露が 宝石のようにわたしの心を輝かせた
大丈夫
私は雨の日にはいつも この傘をさす
空模様の天井の上には オレンジ色の太陽
そのうち この傘がなくなっても
私は心の中に 晴れた空模様を描けるようになるだろう
そうしたら
私もまた
空模様した あの女性のように
風がふくように 自由気ままに 歩いていけるはず
水溜りをひとつ飛び越えて
持っていたオレンジ色の傘を 一つくるっと回転させて
伏せていた目をあげた瞬間
飛び込んできたのは
全身お空模様の女性だった
トレンチコートのシルエット
高い鼻と 想像するとブロンドだと思う髪の毛も
すべてが その人は空模様だった
時折 すぅっと雲が彼女を通過していく
水色をした彼女に模様をつくるように
風はゆるい
周りを歩く人は 彼女には気づいていないのか
気づかないふりをしているのか
ただ いつもの早足で イニシャルとなって歩いていく
うつむきかげんのその空模様の女性もまた
水溜りを見ながら
何かつぶやいている
そして
ふと 私の視線を感じたのか顔をあげた。
次の瞬間
彼女からお空模様が溶け出した
それはAirの中に溶け出し
わたしは はっきりと それが自分へ向かってそよいでくるのを感じた
お空模様がなくなった今
彼女は真っ白なシルエットになっていた
そして 彼女は笑った
そんな気がした
ブロンドかもしれない髪をなびかせながら
風に抵抗することなく
むしろ 彼女が風になったかのように 歩きだした
表参道の白いビルの前を通り過ぎ
そこで 彼女を見失ってしまった
私は走ってその白いビルへと近づいた
新しくできたばかりの
私には興味もない ブランドのビルのその白い壁には
水色の文字で 風ふかれているような文字が書かれていた
Ciel et parapului
傘。
顔を上げてみる
すると そこには。
傘の天井には。
さっきの女性と同じ 綺麗な空模様が広がっていた
ゆるい風がふいている
時折 すうっと 雲が私の傘の天井を通過していく
ピンクの花を想像した
すると 不思議なことに 私は今までかいだこともないような
幸せな香を感じた
黄緑色の草むらを想像した
すると 朝の若草の上光った雨露が 宝石のようにわたしの心を輝かせた
大丈夫
私は雨の日にはいつも この傘をさす
空模様の天井の上には オレンジ色の太陽
そのうち この傘がなくなっても
私は心の中に 晴れた空模様を描けるようになるだろう
そうしたら
私もまた
空模様した あの女性のように
風がふくように 自由気ままに 歩いていけるはず
白いベッドの上 好きな人にだけ存在を知ってもらえるアンクレットが どれだけ幸福なものか 想像していたより強い刺激と甘い気持ちが心に流れ込む
アンクレットを付ける事を覚えたのは
山田詠美さんの書いた Body cocktailに出てくるカナとゆう少女が付けていたから
めんどくさいからと
穴をあけたもののピアスはいつもつけていなくて
ブレスレットも上手く片手じゃつけれないし
邪魔だから必要ないと
アクセサリーなんてほとんどしないけれど
アンクレットだけは特別
毎朝ルーズソックスを履く前に 一種の儀式のような気持ちで私はそれをつける
彼の部屋のベッドで 彼がルーズソックスを脱がすと
待ちきれない気持ちで そのアンクレットはまばゆく光る
自分しか知らないという事実は 彼を
そして 彼しか知らないという事実は 私を
何より感じさせてくれる
いちいちキスをしたこと セックスしたことを自慢げに話す年は早く卒業したかった
彼との恋愛は 自分だけのものにして
ひとり唇をかみしめたい気持ちを楽しむ
アンクレットは そんなわたしのSecret Key
アンクレットを付ける事を覚えたのは
山田詠美さんの書いた Body cocktailに出てくるカナとゆう少女が付けていたから
めんどくさいからと
穴をあけたもののピアスはいつもつけていなくて
ブレスレットも上手く片手じゃつけれないし
邪魔だから必要ないと
アクセサリーなんてほとんどしないけれど
アンクレットだけは特別
毎朝ルーズソックスを履く前に 一種の儀式のような気持ちで私はそれをつける
彼の部屋のベッドで 彼がルーズソックスを脱がすと
待ちきれない気持ちで そのアンクレットはまばゆく光る
自分しか知らないという事実は 彼を
そして 彼しか知らないという事実は 私を
何より感じさせてくれる
いちいちキスをしたこと セックスしたことを自慢げに話す年は早く卒業したかった
彼との恋愛は 自分だけのものにして
ひとり唇をかみしめたい気持ちを楽しむ
アンクレットは そんなわたしのSecret Key